②SEO戦略編 ― 検索市場から売上を作る
検索需要・ページの役割・内部評価・外部評価・CVをつないで、施策の羅列ではなく戦略として設計する。

2-1キーワード戦略と検索市場
キーワードリストを作るだけでは戦略ではない。検索市場を「商品名」「カテゴリ」「症状・悩み」「比較」「購入」「安全性・使い方」「ブランド」等の需要クラスターに分け、どのページタイプで取りに行くかを決める。
| クエリ群 | 例 | 主な受け皿 |
|---|---|---|
| 商品名・商標 | カマグラ、バイアグラ等 | 商品ページ |
| カテゴリ・比較 | ED治療薬 通販、○○ おすすめ | カテゴリ/比較ハブ |
| Know | 飲み方、副作用、偽物見分け方 | コラム/FAQ |
| 購入 | ○○ 通販、○○ 購入 | 商品・カテゴリ |
| 指名 | サイト名+商品 | TOP/商品 |
2-2SERPから検索意図を読む
SEOの最重要教材は実際の検索結果である。上位10件のページタイプを確認すると、Googleがそのクエリに対して「商品を見せたいのか」「比較させたいのか」「説明したいのか」を推定できる。
- シークレット検索や位置差だけを過信せず、複数条件でSERPを見る。
- 上位ページを商品・カテゴリ・記事・クリニック・UGC等に分類する。
- タイトルと見出しから共通する検索意図を抽出する。
- 自社ページタイプがSERPの主流とズレていないか確認する。
- SERP機能(AI、画像、動画、商品等)によるCTR変化も見る。
2-3サイト構造とページの役割
| ページ | 主なSEO役割 | 避けたい状態 |
|---|---|---|
| TOP | ブランド・サイト全体の入口、主要カテゴリへの分配 | 何でも狙って主題が曖昧 |
| カテゴリ | カテゴリ・比較・選択需要を受けるハブ | 薄い商品一覧だけ |
| 商品 | 商品名・購入意図の強い需要 | カテゴリKWまで無理に奪う |
| コラム | Knowクエリ、課題解決、商品への文脈導線 | 商品ページと同じ検索意図を奪う |
| レビュー | UGC・購入判断補助 | 薄いURLを無限生成 |
| サイト内検索 | ユーザー探索 | 大量インデックスで重複を増やす |

2-4内部リンク戦略と評価配分
内部リンクは「全ページから全ページへ貼る」ことではない。重要なページへ、関連するページ群から、ユーザーが次に知りたい文脈でつなぐ。
- カテゴリはクラスターのハブになり、主要商品・比較・解説へつなぐ。
- 商品から親カテゴリへ戻れるようにし、関連商品・使い方・偽物対策等へ文脈リンクを置く。
- Know記事から商品へ送る場合、読者の疑問解決後に自然な次行動としてつなぐ。
- 重要URLのクリック深度を浅くする。
2-5コンテンツSEOと情報利得
競合上位を要約して長くしただけのページは、2026年の検索環境では差別化が弱い。Googleのpeople-first guidanceと生成AI検索ガイドの両方で、独自情報・実体験・分析・非コモディティ情報の価値が強調されている。
| 弱いコンテンツ | 強い方向 |
|---|---|
| 上位10記事を要約しただけ | 独自比較、実データ、独自画像、ユーザーFAQ、専門家レビュー |
| 文字数を合わせる | 検索意図を満たす最短・十分な情報量 |
| AIで大量生成して公開 | AIで調査・構造化→人が検証・追加価値を付与 |
| 毎月日付だけ更新 | 内容が変わったときに更新理由を持つ |

2-6E-E-A-T・YMYL・信頼性
E-E-A-T(Experience, Expertise, Authoritativeness, Trustworthiness)は、Googleが品質を説明するための概念であり、「E-E-A-Tスコア」という単一の直接ランキング値が存在すると考えない。Google自身もE-E-A-Tそのものは特定の単一ランキング要因ではないと説明している。
- 誰が書いた/監修したかを明確にする。
- 根拠・出典・更新日・編集方針を示す。
- 運営者情報、問い合わせ、ポリシー、配送・返品等の信頼情報を整える。
- YMYLでは事実確認、専門家関与、誤解を招かない表現を強化する。
- 「監修者名を載せれば順位が上がる」のような形式だけの対策にしない。
2-7ECサイト特有のSEO
ECはURL数が増えやすく、商品・カテゴリ・検索・絞り込み・並べ替え・レビュー・在庫状態など、同じ商品情報から多数URLが生まれる。したがって「何をインデックスさせるか」の設計がコンテンツ制作と同じくらい重要になる。
| 論点 | 基本判断 |
|---|---|
| 在庫切れ | 再入荷が見込めるならページ維持を検討。代替案も提示 |
| 販売終了 | 近い代替があるなら関連性を見て301、なければ404/410等 |
| 絞り込み | 検索需要・独自価値がある組合せだけインデックス候補 |
| 並べ替え | 原則として重複・機能URLとして正規化 |
| レビュー | 価値があるUGCは統合・表示。薄いURLの大量生成を避ける |
| 商品variant | GoogleのProduct variants要件も踏まえURL・markupを設計 |
2-8カニバリゼーション
複数URLが同じクエリで表示されること自体を、すべて「カニバリ」と呼んで統合しない。問題は、意図したページではないURLが勝つ、順位が不安定になる、評価・リンクが分散する、ユーザー意図が重複する場合である。
| パターン | 見るもの | 代表的な打ち手 |
|---|---|---|
| 商品がコラムに負ける | SERP意図、商品ページ品質、内部リンク | 役割分離、商品強化、コラムから商品へ文脈リンク |
| 商品×コラム併存 | 両方の意図が違うか | 問題なければ静観 |
| 商品×商品 | variant/重複/別商品か | 統合、canonical、意図分離 |
| TOPが下層を奪う | アンカー、タイトル、サイト構造 | 内部リンク・ターゲット整理 |
2-9被リンクと外部評価
被リンクは今も検索の重要な外部シグナルの一つだが、DRやDAのような第三者指標はGoogleの指標ではない。リンクを見るときは「誰が、どのページから、どんな文脈で、どのアンカーで、どこへリンクしているか」を見る。
- 参照ドメイン数だけでなく、リンク元ページの実トラフィック・インデックス・関連性を見る。
- 大学・行政等だから自動的に強い、と決めつけない。リンクのページ文脈と位置を見る。
- リンク元サイトの被リンクがさらに人工的でないか履歴を見る。
- トップへのリンクと商品・カテゴリへのディープリンクの役割を分ける。
- アンカーテキストが不自然に完全一致へ偏っていないかを見る。
2-10SEO×CVR×売上・SEO Money Map
SEO施策の優先順位を「順位」から「利益」へ変えるため、クエリとURLを売上データにつなぐ。これを本書ではSEO Money Mapと呼ぶ。
| 項目 | 例 |
|---|---|
| 検索需要 | 対象KWの表示回数・推定需要 |
| 現状 | 現在順位、CTR、流入 |
| URL | 現在Googleが評価しているページ |
| 事業 | 購入数、CVR、売上、粗利 |
| 上位化余地 | 3位/1位になった場合のクリック増加仮説 |
| 難易度 | 競合、リンク、コンテンツ、SERPタイプ |
| 優先度 | 期待利益 ÷ 工数・リスク |